いよいよ京都に夏がやってくる
2017/03/20

この見送りは和柄ではありません。
7月1日と言えば、京都では大事なことが行われます。
それは「長刀鉾町」の町内一同と稚児が八坂神社へ参拝する日。
神事の無事を祈願します。
ありがとうございます。日比野新です。
ということで、いよいよ7月に入りますと、京都市内では全ての基準が「祇園祭」になります。
仕事も、用事も、道路も、信号も、警察(五条署)も、町内も。
ぜ~んぶ、祇園祭が基準です。
今日から始まりまして、明日は「くじ取り式」。
7月17日の前祭、24日の後祭の山鉾巡行の順位を決めます。
ご存じの方もいらっしゃるかもしれませんが、長刀鉾の巡行順位は永遠に変わりませんから1番。
2番目からが、くじ取り式できまります。
その後も、ほぼ毎日のように何かが行われ、10日ごろから鉾立てが始まるという日程。
機会があれば一度は生で観てもらいたいのですが、山鉾の胴掛けや見送りと呼ばれる織物が、なかなかおもしろいものなんです。
一般的なイメージで「祇園祭」というと、日本の祭りであり、公家が京都にいたころから存在する祭り。
当然ですが、織物の柄としてイメージできるのは「和風」な柄。
しかし、山鉾の織物は違うのです。
ペルシャやギリシャ、ベルギーなどの絨毯が使われているものがあります。
ゴブラン織りのものもあります。
図案には「トロイ戦争」や「旧約聖書」などを原案とした柄のものがあります。
また日本が鎖国していた時期でも、京都の町衆は少しでも他の町内とは違うものを使おうと、秘密裏に入手して山鉾を飾っていたようです。
こういう心意気というか意気込みが続いているからこそ、今も日本を代表する祭りとして存在し、そのクオリティを落とすことなく継続できているのでしょう。
祇園祭というと“静かな”祭りに見えますが、それは京都特有の上辺は静かに、中は熱く、という風習からくるものかもしれません。
慌てず騒がず淡々と。
そんなことを感じながら祇園祭を観てもらえたら、他の人より何倍も楽しめるし、町内の“情熱”もわかってもらえると思います。
今日は、こんなところで。
追伸
しばらく祇園祭の話が続くかもしれません。
なんせ、京都の一大イベントですから。
それでは、また。