期待値の閾値(きたいちのしきいち)
閾値(しきいち)という言葉は、
エンジニアの間では頻繁に出てくる言葉なのですが、
日常生活では出てこない言葉です。
どういう意味で使っているのかというと、
簡単に表現するなら
「OKと許される誤差の範囲」
目標値よりも+10秒まではOK。
目標値よりも-3秒まではOK。
こんな感じで使います。
で、
この閾値は、私たちが普段生活している中でも
大きな影響を与えています。
特に「期待すること」に関しては影響を与えています。
誰かに何かを学ぶときを考えてみてください。
自分が相手から学びたいと思っている期待値があるはずです。
例えば、その期待値を100とします。
で、実際に相手から学んだとき、
期待値よりも低ければ・・・NGなわけです。
反対に、期待値通りだった場合はOKでしょう。
期待値+10くらいなら、満足かもしれません。
しかし、
期待値+200となったら、
確かにスゴいんだけど満足はしないことが多いものです。
確かにスゴいけれど、
今、学びたい期待値より高すぎるのは、満足度には比例しません。
ここが人に何かを伝えるとき、簡単ではないところだと思います。
自分は相手にとって将来役立つことが分かっているから、
今のうちに伝えておこうと思っていますが、
相手にとっては期待値以上のことなので、
満足度がアップすることにはなりません。
ここで必要なのは、伝えることではなく、
相手の期待値の閾値を探っておくことでしょう。
そして
「人を動かす」の著者、デール・カーネギーさんも言ってますが
「相手が求めたことを話す」
期待値+10くらいを話す。これが正解なのだと思います。
相手が求めていないことを話すのは、
押しつけであったり、自慢であったり、
相手にとって「もっともおもしろくない瞬間」だということです。
ライターという職業柄、いろいろなことを吸収します。
そして、吸収したものをタイミングがあれば誰かに話そうとします。
でも、そのタイミングで相手は本当に、
これから自分が話そうとしていることを求めているのでだろうか?
話し出す前に、こういう疑問を持ち
一呼吸おいてから話すかどうかを
判断しないといけないですね。