セールスライターの仕事で必要なのは、思考のポジショニング

思考のポジショニングを知っておこう!
昨日の続きです。
(昨日の話はこちらからどうぞ。)
ほとんどの催し物は「順路」が決められています。
きちんとした決まりはなくても、何となく進んでほしい方向を示しています。
これは意外と重要です。
理屈ではわかっていても、実際に体験すると
「その方がいい」
ではなく
「絶対に知らないとダメ」
に変わります。
ポジショニングとは
まず、ポジショニングという言葉とは何でしょうか?
よく耳にするのは
「この車は軽自動車としてポジショニングしました」
「私の商品は市場の中で、○○にポジショニングされています」
これが普通の使い方だと思います。
でも、ポジショニングという言葉の意味は、これだけではないと私は思っています。
私が思うポジショニングの意味の中には
「見込み客の思考の中での順位」
があります。
カテゴリーという思考の器
人の脳は、価値を理解するために比較します。
あなたもそうだと思います。
AとBと比較して、勝った方とCを比較して。
だから「価格.com」が今も重宝されているのですね。
このように人は「比較」することで理解します。
でも、ひとつひとつの商品やサービスを比較するのでは、脳が疲れます。
また時間も必要になります。
そこで、短縮するために「カテゴリー」を作って、その中で比較しようとするようです。
例えば、レンタカー会社。
レンタカーというカテゴリーを作り、その中にレンタカー会社を入れ、カテゴリーに入ったものだけで比較する。
こんなイメージでしょうか。
ここでのポイントは、1つのカテゴリーには、6つか7つの会社しか入らないということです。
あなたも今から、レンタカー会社の名前を書き出してみてください。
・
・
・
だいたい5つか6つ出てきたところで、考え込んでしまうと思います。
でも、日本中にレンタカー会社は7つ以上存在します。
でも、あなたの脳の中にある「レンタカー」というカテゴリーには、今、あなたが名前を挙げた会社しか認知されていないのです。
これ、怖いですよね。
カテゴリーの中に入れてもらっていない会社は、存在しないことと同じなんです。
思考の順位
で、昨日の会場の話に戻ります。
入り口から順路に沿って進んでいくと、最初に「A社」という運送業のFC本部が登場しました。
A社の説明を聞き、A社の言うUSPを聞き、資金面の話を聞きます。
そして、しばらく進むと運送業のFCである「B社」が登場しました。
B社の説明を聞き、B社の言うUSPを聞き、資金面の話を聞きます。
でも、このとき、私の思考での感想は
「A社のパクリか?」
でした。
さらに、しばらく進むと運送業のFCである「C社」が登場しました。
C社の説明を聞き、C社の言うUSPを聞き、資金面の話を聞きます。
私の思考での感想は
「なんや、他と一緒やな。魅力ないな」
でした。
私の脳に「FC運送業」というカテゴリーが作られ、その中に3つの会社が入りました。
偶然に、A社→B社→C社の順に入りました。
たったこれだけのことです。
でも、私の思考の中の「FC運送業」カテゴリーでは、
1番のA社
パクリのB社
魅力のないC社
こんな風にランキングされているんですね。
このランキングは、全く理屈に合っていません。
だって、3社の中で、本当に実力があるのがどこかは、この時点では解っていないのです。
それなのに、最初に「FC運送業」というカテゴリーに入り込んだ「A社」が何故か、
「1番の会社」
という風に認知し、A社を基準にして他の2社を比較しているんですね。
どんなものよりも強いもの
見込み客にとって、どんなものよりも強いもの。
それは、市場での実績や実力ではありません。
見込み客の思考のカテゴリーへ「1番」に入ることです。
そして、思考の中で1番を獲得することです。
これは残念なことに、
・最初に始めた
・歴史がある
・実績がある
というのは無関係で、最初に知ったから、
「そこが発明したんだろう」
と勝手に思い込む直感的でない事実です。
実例として、わかりやすいのは「iPod」ですね。
世界で最初に「MP3プレイヤー」を作ったのは、アップルではありません。
世界で最初に「MP3プレイヤー」を販売したのは、アップルではありません。
でも、世間一般的に「MP3プレイヤー」というと、「iPod」がイメージされますし基準となります。
だから必要なのは1番になること
ということです。
催し物なら、競合の誰よりも先に見込み客へ接触し、見込み客の思考の中にカテゴリーを作り、自分をそのカテゴリーの中で1番にする。
これが大事です。
でも、すでに自分の仕事のカテゴリーに、多くの会社が存在するのなら、同じカテゴリーで勝負せず、
「新しいカテゴリー」
を作り出して、その中で1番を目指すのが正解ではないかと思います。
まとめると
こんな風に、全く理論的でない比較を、私たちはやっているのでしょう。
そして、理論的でない比較でランキングをし判断しています。
商品やサービスが「良いもの」であることは必要です。
でも、それ以上に、思考の中のポジショニングは大事だなと。
セールスライターは見込み客の思考の中で、クライアントさんが1番になれる「カテゴリー」を探すか作るのも、仕事のひとつなんだろうなと思います。