USP(独自のメリット)で書店がアマゾンに勝つ方法
2017/04/13

お母さん、買ってよ~
いつも足を運ぶ書店があります。
田舎のショッピングセンターに入っているわりには、広いフロアで置いているジャンルも広く便利に使っています。
この間のことですが、新しく始まるプロジェクトのために関連雑誌をリサーチに行くと、後ろから親子の声が聞こえてきました。
1. え、そうなんですか?お母さん
お子さん(5歳くらい)が児童書をほしいと、お母さんにセールスしてました。
あれこれ提案をするのですが、お母さんの感情は揺れませんでした。
それでも、お子さんは執拗に押しの強いセールスをしております。
一歩でも足をドアにこじ入れたら勝ちだぜ!くらいの勢いです。
お子さんはあらゆる戦術を出し尽くし、お母さんもそろそろ負けそうになったとき(お子さんは直感的に勝ちを予感)、お母さんから提案が出ました。
その提案とは
『今買ったら買い物するとき重いから、アマゾンで買い』
お子さんは「買ってもらえる」ことに変わりありませんから商談成立。
「いや、子供よ、本当に家に帰って買ってもらえるかはわからんぞ」と心の中で呟いたのですが、脳内通信で届くはずもなく。
それは、横に置いといて。
この一言で、書店はアマゾンに負けました。完敗。
2. 書店は何もできないのか
これもいつも思うのですが、私はこの書店に「そこそこ」貢献しています。
たぶん一ヶ月に4千円か5千円は使っています。
でも、一度も私の個人情報を聞かれたことがありません。
アンケートにお答えください、とも言われたことがありません。
でも、もし、私の個人情報と私が買うジャンル。
立ち読みしているジャンルをひっそりと見ていたら、DMでも送ってアクションできるかもしれません。
「ご興味のありそうな本が入荷しました」とも言えるでしょう。
レジで店長さんとか店員さんが、私が興味を持ちそうなジャンルの本について、書店員独自の知識を教えてくれたとしたら、、、。
値段はアマゾンと同じなのだから、こんな専門的なことが受けられるのなら、こっちの書店を選びますよね。
たぶん、お子さんが欲しがった児童書も同じだったのだろうな。
3. これが勝てる方法
このような対応がアマゾンに勝てるひとつの戦略であり戦術だと思います。
そして、これが、この書店の独自の強みでしょうし、この書店を選ぶ人のメリットですから。
でもね、実際は手間がかかりますよね。
書店員さんも本を読まないといけないし、レジで話すると話が長い人も居て、レジが回転しないこともあるし。
そこは客層を見ることも必要ですが、ひとつ言えることは
「お客さんは誰でも、特別に扱い大事にしてほしい」
ということは真実でしょう。
それが面倒な人間関係と思う人は、それはそれで仕方ない。
でも、アマゾンに勝つことはできると思うんですね。
まとめると
独自のメリットを見つけるために「USPの専門家」とか「ブランディングクリエーター」とかいらっしゃいますが、一番簡単に独自の強みを見つける方法は市場に聞くことです。
『顧客の好みを訊ねる』
・なぜここで買うのか
・なぜアマゾンじゃないのか
・アマゾンで買うときはどんなときか
・どんなジャンルをいつも買うか
・いくらくらいのものを買うか
などなど、これが一番早いでしょう。
開店したところで、まだ「いつものお客さん」がいないときは、ある程度の予測も必要です。
でも、そこそこ見慣れたお客さんが来るのなら、聞いてみるのが一番ですね。